独身に生命保険は必要?男女別の加入率や備えたいリスク、選び方を解説
公開日:2026年3月16日

独身の方のなかには、「扶養家族がいないから生命保険の必要性は低いのでは?」と感じている方もいるかもしれません。しかし、生命保険は亡くなったときの保障だけではありません。病気やケガで治療費がかかったときや、働けなくなって収入が減ったときなど、「生きている間の経済的なリスクに備える保障」もあります。
本記事では、独身に生命保険は必要なのか、どのようなリスクに備えるべきかを整理したうえで、保険選びのポイントや独身に向いている保険の種類について、FPの視点から分かりやすく解説します。
※ネオファースト生命が取り扱っていない生命保険も紹介しています。
独身に生命保険は必要?
独身の方でも、生命保険が役立つ場面は多くあります。特に、病気やケガ、就業不能など、生きている間に発生するリスクへの備えとして重要です。扶養家族がいない独身の方は、家族の生活を支えるための死亡保障の必要性は低いものの、次のような経済的リスクは誰にでもあります。
<経済的なリスク>
・入院や通院によって医療費が増える
・働けなくなり、生活費に困る
・葬儀代や身の回りの整理にお金がかかる
独身の方は生活費を自分の収入でまかなっていることが多く、働けなくなると家計への影響が大きくなりがちです。そのため、医療費や収入減への備えを軸に、葬儀代などに備えた最低限の死亡保障を検討するとよいでしょう。
独身が備えておきたいリスク
独身の方にとって重要度が高いのは、自分の生活が立ち行かなくなるような事態に備えることです。ここでは、独身の方が意識しておきたい代表的なリスクを見ていきましょう。
・病気やケガによる医療費の負担
まず考えておきたいのが、病気やケガによる医療費です。日本には公的な医療保険があり、医療費の自己負担は原則3割に抑えられています。
また、「高額療養費制度」によって、年収などに応じて1カ月あたりの自己負担額には上限が設けられています。たとえば、年収がおよそ370万~770万円(69歳以下、3割負担)の場合、自己負担の上限額は
80,100円+(総医療費-267,000円)×1%(※総医療費=10割)で計算されます。
例えば、総医療費が50万円なら約82,430円、150万円なら約92,430円が目安です。
ただし、高額療養費の対象は公的医療保険が適用される費用に限られ、次のような支出は原則として全額自己負担となります。
これらの費用は、入院や通院が長引くほど積み重なっていきます。治療が長期間に及ぶ場合でも家計に支障が出ないよう、備えておく必要があります。
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・働けなくなった際の収入減少
次に考えておきたいのが、働けなくなったときの収入減です。独身の方は、生活費を家族に頼ることが難しいケースも多いでしょう。長い療養が必要になると、生活に支障が出やすくなります。
会社員であれば、健康保険から「傷病手当金」を受け取れるため、収入が減ってもある程度は補填されます。支給額は、休業前の給与のおよそ3分の2が目安です。ただし、支給されるのは通算で1年6カ月に限られます。また、傷病手当金は毎月の給与をもとに計算され、基本的には賞与(ボーナス)は対象になりません。ボーナスを含めた収入を前提に生活していると、休業中は家計が苦しくなりやすい点に注意が必要です。
一方で、国民健康保険に加入している自営業やフリーランスの方は、原則として傷病手当金がありません。働けなかった期間が長いと、収入が大きく減ってしまうケースもあります。
このように、働き方によって受けられる公的保障は異なるため、自分の状況に合わせて不足する保障を整えていくことが大切です。
>関連記事:医療保険の女性特約とは?必要性や保障内容、加入時の注意点を解説!
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・自身が亡くなった場合の整理資金
自分が亡くなったあとにも、葬儀や納骨、身の回りの整理など、一定の費用が発生します。葬儀の内容によって差はありますが、費用は100万円を超えることも珍しくありません。お墓が決まっていない場合には、納骨先の準備や永代供養墓の利用などで、さらに数十万円以上の費用がかかることもあります。
また、遺品整理や相続に関する手続きにも費用が発生します。専門業者に依頼すれば整理費用がかかるほか、クレジットカードの利用分やカーローンなど、生前に発生していた支払いを整理する必要が生じるケースもあります。これらの手続きや支払いは、相続が完了するまでの間、親族が一時的に立て替えて対応することも少なくありません。
そのため、独身の方であっても、亡くなった後に親族へ金銭的な負担を残さないよう、葬儀代や整理費用をまかなえる最低限の死亡保障を準備しておくと安心です。
独身が保険を選ぶ方法
独身の方が保険を選ぶときは、保障の優先順位を整理すると、保険料の負担を抑えながら無理のない保険選びがしやすくなります。ここでは、独身の方が保険を選ぶときに押さえておきたいポイントを紹介します。
・医療保障や就業不能保障を優先的に考える
まず考えたいのは、医療保障と働けなくなったときの保障です。病気やケガで治療が続くと、医療費の負担が増えます。さらに、長く働けなくなると、収入が減って生活に支障が出てしまうリスクがあります。
そのため、病気やケガによる医療費をカバーできる医療保険や、働けなくなったときの収入減に備えられる就業不能保険を優先して備えるようにしましょう。
・最低限の死亡保障を検討する
扶養する家族がいない独身の方は、死亡保障は最小限で構いません。死亡保障を用意する目的は、葬儀代や自宅の整理などにかかる費用をまかなうことと考えましょう。
生命保険文化センターの「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」を見ると、生命保険加入者の死亡保険金額は「200~500万円未満」としている方が約16%と、最も多いことがわかります。
必要な死亡保障は、借金の有無や想定している葬儀の規模などによって異なりますが、葬儀費用や整理資金をまかなうために、200万円~500万円程度の保障額を目安に検討するとよいでしょう。
・女性特有のリスクに備える
女性の場合は、女性特有の病気にも目を向けたいところです。乳がんや子宮の病気は、若い年代でもかかることがあり、治療や通院が続くと仕事や生活への影響も出やすくなります。女性特有の病気で入院・手術をした場合に給付が手厚くなる「女性向け医療保険」や、給付金が上乗せされる「女性疾病特約」を選ぶと、治療費の負担を減らせるでしょう。
女性向けの医療保険や特約の中には、健康保険の対象となる不妊治療の手術や、切迫早産による入院、帝王切開手術などについて、給付が手厚くなる商品も多くあります。妊娠後は保険加入や特約の付加に制限がつくこともあるため、将来妊娠を考えている人は、独身のうちに検討しておくのも選択肢のひとつです。
>関連記事:医療保険の女性特約とは?必要性や保障内容、加入時の注意点を解説!
独身に向いている生命保険
ここからは、生命保険について見ていきましょう。うつ病と診断されると生命保険の加入は難しいと諦めがちですが、治療中や治療後であっても、加入しやすい傾向にある生命保険はいくつかあります。
・医療保険
医療保険は、病気やケガで入院や手術をしたときに給付金を受け取れる保険です。保障内容や商品、加入条件によって異なりますが、入院や手術に対して1回10万円前後の給付金が支給されるものや、入院1日あたり5,000円などの日額給付が受け取れるものがあります。
一生保障が続く終身型の医療保険であれば、月々の保険料が加入時からずっと変わりません。若いうちに加入すると毎月の保険料を低く抑えられるというメリットがあります。
また、先進医療特約を付けると、公的医療保険の対象外となる治療の技術料に備えられます。差額ベッド代などは対象になりませんが、高額になりやすい治療費への備えとして、保険料に無理がなければ検討してもよいでしょう。
>関連記事:医療保険のプランの選び方は?種類や注意点を解説
・がん保険
がん保険は、がんと診断されたときや、がんの治療を受けたときに給付金が受け取れる保険です。がん保険には、がんと診断された時点で100万円などの一時金を受け取れる商品や、通院治療を行った月に5万円や10万円が支給される商品などがあります。医療保険でもある程度がんへの備えはできますが、がんへの備えを手厚くしたい場合に検討するとよいでしょう。
多くのがん保険では、契約から90日(3カ月)ほどは免責期間となり、その間にがんと診断されても保障の対象になりません。(商品によって異なる)そのため、体調に不安を感じてから加入すると、告知事項に該当して加入できなかったり、保障が受けられない可能性があります。がんは自覚症状が出にくい場合もあるため、健康なうちに加入しておくことが大切です。
また、女性に多いがんとしては、乳がんや子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)が挙げられます。これらは20代後半や30代前半から少しずつ増える傾向があるため、若いときから早めにがん保険で備えておくと安心です。
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・就業不能保険
就業不能保険は、病気やケガで医師の指示により長く働けなくなった場合の収入減に備える保険です。働けない状態が一定期間続くと、契約時に定めた金額を毎月受け取れる仕組みになっています。
会社員であれば、健康保険の傷病手当金が終わる時期から給付が始まるように設定すると、生活費を補いやすくなります。傷病手当金を受け取れない自営業やフリーランスは、給付が始まるまでの期間(免責期間)を短く設定した就業不能保険に加入しておくと、収入が途切れるリスクを抑えられます。
なお、就業不能保険で「働けない状態」に該当する基準や、精神的な病気の扱いは、保険会社によって異なります。保障内容や給付条件をよく比較し、自分の就労状況や貯蓄額に合った商品を選びましょう。
>関連記事:働けないリスクに備えよう!役立つ公的保障や就業不能保険の内容は?
・貯蓄型保険
老後に向けた資金準備を進めたい方は、終身保険や個人年金保険といった貯蓄型保険も選択肢のひとつです。貯蓄型保険は、掛け捨て型に比べて保険料は高くなりますが、解約時に「解約返戻金」を受け取れる仕組みのものが多く、保障を確保しながら将来の資金準備ができます。
たとえば終身保険は、死亡保障が一生涯続く保険で、葬儀費用など最低限のお金を残したい場合に利用されることが多い保険です。解約返戻金を老後資金の一部として考えて加入する人もいます。
個人年金保険は、一定期間保険料を積み立て、将来年金形式で受け取る保険です。公的年金に上乗せして将来の年金を受け取れるため、老後の生活資金を計画的に積み立てたいときに適しています。
まとめ
独身の方でも、病気やケガによる医療費の増加や長期の収入減といったリスクがあるため、生命保険が必要といえます。自分の生活を守るためにも、医療保障や就業不能保障を中心に考え、死亡保障は必要最低限の範囲にとどめて準備すると保険料を抑えやすいでしょう。
女性の場合は、20・30代から妊娠する可能性や女性特有のがんに罹患するリスクが高くなるため、がん保険や女性特有の病気に手厚く備えておくことも検討するのがおすすめです。
公的保障がどの程度期待できるかを踏まえながら、自分の収入状況や貯蓄、ライフプランに合わせて必要な保障を選び、過不足がないように整えていきましょう。
この記事の情報は2025年12月時点


ファイナンシャル・プランナー(AFPⓇ)。FP事務所マネセラ代表。(https://manesera.com/)
張替 愛(はりかえ あい)
「ひとつひとつの家庭にとっての最善策」を探すことを大切に、金融商品を販売せずに、年間100件近く相談を行う。専門分野は教育費・住宅購入・資産運用・ママのキャリアなど。コラム執筆や監修、オンラインマネー講座などでも活躍。2児の母でもある著書『~共働き800万円以下の夫婦でもハッピーライフ~プチ贅沢を楽しみながらムリなく資産を増やす』(ビジネス教育出版社
