自分に合った生命保険の選び方とは?種類や加入するメリット・デメリットも解説
公開日:2026年8月17日

もしものときに備えて生命保険に入っておいた方がよいのではないか。そう思いながらも、生命保険は種類が多くて、どれを選べばよいか迷ってしまうという方もいらっしゃるでしょう。
生命保険にはどんな種類があるかを知った上で、自分に合う保険を選ぶことがポイントです。その際は、自分が現在どんなライフステージにいるか、家族構成はどうなっているかをもとに、必要な保障内容や保障額、保障期間などを検討しましょう。
本記事では、自分に合った生命保険の選び方を解説します。
生命保険の基本的な種類
ここでは、生命保険を「何に備えるか」という目的に応じて、4つに分けて紹介します。そして、それぞれにいくつかの種類があります。
生命保険の種類を知ることで、自分のライフステージに合う商品を検討することができます。
・死亡に備える保険
死亡に備える生命保険では、被保険者が死亡した場合に死亡保険金を受け取れます。商品によっては、所定の高度障害状態になった場合にも保険金を受け取れます。被保険者が亡くなった後も、遺族が経済的に困らないために活用する保険といえます。
図表 死亡に備える保険の主な種類
執筆者作成
・病気やケガに備える保険
病気やケガに備える生命保険は、病気やケガにより入院や手術が必要となり、医療費などの支払いが発生した場合に、給付金を受け取ることで経済的な負担を軽くするための保険です。医療費のみならず、病気やケガで働けなくなり収入が減少するリスクに備えられる保険もあります。
図表 病気やケガに備える保険の主な種類
執筆者作成
・介護に備える保険
介護に備える生命保険として介護保険があります。被保険者が要介護状態になった場合に一時金や年金を受け取ることができます。日本には公的介護保険があり、要介護または要支援の認定を受けると、所得に応じて費用の1~3割を負担して介護サービスを利用できます。
なお、40~64歳の方は、国が定める特定疾病が原因で要介護・要支援状態になった場合に限られます。民間の介護保険は、所定の要介護状態になった場合に現金を受け取り、公的介護保険の自己負担分や対象外の費用などに備えるために活用できます。
民間の介護保険では、要介護状態の判定を保険会社が独自の基準で定めているタイプと、公的介護保険の要介護認定(要介護2以上など)に連動するタイプがあります。
保険期間は、期間を定めている有期型と、一生涯の終身型があります。給付金の受取は、一時金または年金、一時金と年金を併用できるタイプがあります。
・将来に備える保険
将来に備える保険は、例えば老後の生活資金や子どもの教育資金など将来必要になるお金を準備するために活用できます。受取時期や保険料の払込方法などをあらかじめ定めることで、将来必要になる資金を計画的に準備できます。ただし、商品や受取条件によっては、受取総額が払込保険料総額を下回る場合があります。
図表 将来に備える保険の主な種類
執筆者作成
生命保険に加入するメリットとデメリット
生命保険に加入すると、契約内容に応じて死亡や病気・ケガなどの際に保険金や給付金を受け取ることができます。また支払った保険料が所定の要件を満たす場合は、生命保険料控除の対象となり、所得税や住民税の負担が軽減されることがあります。これらはメリットと言えます。
その一方で、保険料が家計に負担になることもあるでしょう。また、あらかじめ受取額が決まっている貯蓄型の保険では、インフレの影響で満期金などの実質的な価値が下がる可能性があり、これらはデメリットと言えます。
ここからは、生命保険に加入するメリットとデメリットについて、解説します。
・生命保険に加入するメリット
生命保険に加入することの主なメリットは、次のとおりです。
被保険者が死亡した、病気やケガをしたなどの場合に、保険金や給付金を受け取ることができるので、もしものときの経済的な負担に備えることができます。
貯蓄性のある終身保険や個人年金保険などに加入していれば、老後資金など将来必要になるお金を計画的に準備することができます。保険の種類によっては、支払った保険料が生命保険料控除の対象となり(控除額には上限あり)所得税や住民税の負担が軽減されます。
家族の生活費を稼いでいる人や、将来必要になる資金の準備方法に迷っている人は、生命保険の活用を検討してはいかがでしょうか。
・生命保険に加入するデメリット
生命保険にはメリットがありますが、加入前に知っておきたいデメリットもあります。主なデメリットは次のとおりです。
生命保険に加入すると、一定期間や一生涯にわたり保険料の支払いが必要となります。更新型の定期保険では更新時に保険料が上がる場合があります。
給付額が運用実績、積立利率、為替、配当などにより変動する商品もあります。生命保険は、契約時に保険金や給付金の額を決めて加入します。その後、インフレで物価が上昇すると、受け取る保険金の価値が相対的に下がる可能性があります。終身保険や養老保険など貯蓄性のある保険では、早期に解約をすると解約返戻金が払込保険料総額を下回り、元本割れする可能性があります。※
支払う保険料と保障内容を確認して、自分のライフプランに合う保険を選ぶことが重要です。
※本記事では、解約返戻金が払込保険料総額を下回ることを指しています。
自分に合った生命保険の選び方
生命保険を選ぶ際には、加入する目的、必要な保障を明確にすることが大切です。自分に合う生命保険の選び方を解説しましょう。
・ライフステージに合わせて保障を選ぶ
どのようなライフステージにいるかで必要な保障内容が変わります。自分の収入、家族構成、将来必要となる支出などをもとに過不足のない保障を選択するのがポイントです。
図表 ライフステージⅼ検討したい保障の例
執筆者作成
・必要な保障額を考える
例えば、万一のときの死亡保障額は、その後必要となる支出から、収入として見込める金額を引いて計算します。必要となる支出は、遺族の生活費や先進医療の技術料、葬儀代、住居費などの合計です。遺族年金や遺族の勤労収入などの今後見込める収入と、預貯金などの保有資産を差し引きます。
医療費については、窓口負担割合は年齢や所得によって異なり、原則1~3割です。さらに高額療養費制度により自己負担額には上限が設けられています。ただし、入院時の差額ベッド代や先進医療など公的保険の対象にならない費用もあります。それらを踏まえて医療保障額を検討します。
保障額を高く設定し過ぎると毎月の保険料が高くなり家計を圧迫する可能性がありますが、保障額が低すぎては備えとして不足します。適切なバランスを考えましょう。
・保障期間を決める
保障期間は、「一生涯にわたり保障が続く終身型」と「一定期間のみ保障される定期型」があります。
死亡保障や医療保障を一生涯にわたって確保したいなら終身型が選択肢です。一方、子どもが自立するまで死亡保障を確保したいなど一定期間の保障を得たいなら定期型が選択肢になります。
一般に、定期型は終身型より加入当初の保険料を抑えやすい傾向があります。
・適切な保険料と払込期間を検討する
家計にとって適切な保険料や払込期間は、現在の家計のみならず将来の家計収支を予想して考えます。
保険料は、同じ商品・保障内容で比較すると、一般に加入時の年齢が若いほど毎回の保険料は低くなる傾向があります。ただし、払込期間が長くなれば、払込保険料総額が少なくなるとは限りません。さらに、更新型の保険では、更新のたびに保険料が上がる場合もあります。
保険料の払込期間は、一定期間(または一定年齢まで)で払い終える方法と一生涯にわたって払う方法(終身払)があります。例えば定年退職などの一定年齢までに払い終えれば、一定年齢までに保険料の払込みを終えれば、その後は保険料の支払いがなくなります。ただし、一般に、毎回の保険料は終身払いより高くなります。
一方、終身払いは、有期払いに比べて毎回の保険料を抑えやすいものの、保険料の支払いが一生涯続き、長生きするほど払込保険料総額が増える可能性があります。
自分の家計に無理のない保険料と払込期間を検討しましょう。
まとめ
生命保険を選ぶ際は、現在のライフステージや家族構成をもとに、加入目的を明確にし、必要な保障内容を検討することが重要です。
保障額は、もしものときに必要となる費用から、公的保障や貯蓄額などを差し引いて計算し、保障期間は目的に応じて終身型か定期型を選択します。
また、保険料は家計に無理のない範囲で、払込期間は将来の収支も考慮して判断しましょう。
さらに、ライフステージが変化したときは保障内容を見直せば過不足のない保障を維持することができるでしょう。
※この記事の情報は2026年6月時点
-
プロフィール
ファイナンシャルプランナー(CFP®)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士
坂本 綾子(さかもと あやこ)雑誌記者を経て2010年にファイナンシャルプランナーとして独立。執筆やセミナー講師を行う。消費者からの家計相談にも対応。著書に「改訂新版 節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本」(朝日新聞出版)、「きみたちはどう稼ぐか?1杯のコーヒーをお金に換える方法」(中央公論新社)などがある。
