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保険の見直しは必要?タイミングや方法、乗り換える際の注意点も解説

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公開日:2026年5月12日

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保険は、一度入ったらそれで終わりではありません。契約後も見直しをすることが大切です。なぜなら、人生にはいろいろなライフステージがあるからです。結婚、出産、住宅購入、転職など、ライフステージが変れば、その時期に必要な保障内容や保障額も変化します。
にもかかわらず、ほったらかしにしたり、見直しの時期や方法が適切でなかったりすると、せっかく保険に入っているのに必要な保障を得られないといった困った事態になることがあります。
本記事では、保険の見直しが必要な理由、適切なタイミングや見直し方法を解説します。ご自身や家族にとって最適な保障を確保するために、保険の見直しの基本をしっかり理解しましょう。

※本記事についてのご注意

保険の見直しが必要な理由

万一のことが起きたときや、病気やケガで医療費が必要になった時のために入る保険。どんな保障をどれくらい確保しておくべきかは、人生のライフステージによって違ってきます。また医療技術の進化などにより医療の環境が大きく変化しています。これらに対応するには保険の見直しが必要なのです。

なぜ保険の見直しが必要なのか、その理由を具体的に解説します。

ライフステージの変化に対応するため

就職して社会人としての一歩を踏み出す、結婚・出産により家族が増える、ローンを組んで住宅を購入するなどライフステージの変化により家計の状況も変化します。それにともない必要な保障も変わります。
例えば、独身時代は自分自身の医療費や就業不能に備えることが中心になりますが、結婚や出産を機に子どもの養育費や教育費など家族を考慮した保障が必要となります。
また、転職により会社員から個人事業主になると、加入する社会保険の種類や給付内容が変わるため、民間保険でカバーすべき保障の範囲も違ってきます。

こういった変化に合わせて保険も見直す必要があります。

医療技術の進歩に対応するため

病気やケガを治療する医療技術は日々進歩しています。それに伴い例えば入院が必要な手術や治療では、平均的に入院日数が短くなっています。日帰りでの手術や治療も増えています。

医療保険では、通常、入院や手術などに給付金が支払われます。かつての医療保険は、入院して数日以上経過したら入院給付金の対象になるタイプが主流でした。しかし、平均的な入院日数が短くなってきたことから、短期の入院や日帰り入院でも給付金を支払う保険が増えています。治療の内容に応じて通院治療に給付金を支払う保険もあります。加入当時は適切だった保障内容が、時間の経過により今の医療の実態に合わなくなっているケースがあるのです。そのため、加入から年数が経った古い保険では、入院給付金が受け取れなかったり、受け取れても対象となる日数が少なくなったりします。

 >関連記事:入院給付金とは?生命保険会社の保障や入院時の自己負担金額をわかりすく解説

保険料を最適化するため

加入した時点では適切だった保障内容が、その後のライフステージの変化に伴って合わなくなることがあります。

例えば、子どもが小さい時期には世帯主の万一に備えてある程度の死亡保障額が必要になります。養育費や教育費に備えるためです。しかし、子どもが独立した後はこういった保障は不要になります。必要以上に高い保障を続けていないかを確認しましょう。また、複数の保険に入っているなら、同じ保障が重複していないかも確認してください。

また、転職や退職などにより収入が減った場合は、保険料の負担が大きくなり家計が苦しくなるケースもあるでしょう。保険を見直すことで、家計に無理のない保険料に調整できることもあります。

 >関連記事:生命保険の保険金は減額できる?メリット・デメリットを解説

保険の見直しのタイミングは?

保険を使ってどのような保障を確保しておくべきか、長い人生にはその内容が変化するタイミングがあります。ライフステージが変化したときは、その時点の状況に合わせて保険の見直しを行うことで適切な保障を確保することができます。保険を見直すべきタイミングについて解説します。

結婚、出産時

1人暮らしだった人は、結婚や出産により世帯人数が増えます。結婚や出産により家族の生活を支える立場になったら、万一の時に備えて死亡保障の必要性が高まります。それまで加入していた保険を見直しましょう。2人目の子どもが生まれたときも死亡保障額の見直し時です。また、病気やケガの医療費への備えも検討したいですね。配偶者の収入や子どもの人数など家族構成を考慮しながら、その時々に必要な保障額を確保できるよう保障内容の切り替えを検討しましょう。

住宅購入時

住宅購入の際はほとんどの人が住宅ローンを利用します。住宅ローンを組むときは民間金融機関の住宅ローンでは団体信用生命保険(団信)加入が条件のケースが一般的です。一方、【フラット35】は団信は任意(希望に応じて加入)です。

以降は団信では、ローン契約者が死亡したり高度障害状態になったりした場合に残りのローンを保険金で返済する仕組みです。これにより遺族はローン返済が不要で自宅に住み続けることができます。住宅購入前に死亡保障のある生命保険に加入していたなら、団信への加入により死亡保障が重複するかもしれません。また、団信の中には、特約としてがんや三大疾病への保障が付いているものがあります。すでに加入しているがん保険や医療保険と保障が重複していないかも確認しましょう。

最近はペアローンを組む夫婦が増えています。ペアローンの場合は、亡くなった人のローンは無くなりますが、残った配偶者は自分のローンを払い続ける必要があります。そのことを想定して、それぞれの死亡保障を確保することを検討しましょう。なお、近年はペアローン連生団信(夫婦いずれかに保険事故が発生すると二人分の残債合計を保障)を扱う金融機関もあります。

転職、退職時

転職や退職をすると加入する社会保険制度が変わります。

例えば、会社員だった人が個人事業主やフリーランスになると、多くの場合、勤務先を通して加入していた健康保険や厚生年金から国民健康保険や国民年金へ移ることになります。会社員のときよりも社会保険からの給付が少なくなります。具体的には、会社員なら受け取れる健康保険からの傷病手当金は退職前に受給要件を満たしていた場合の“継続給付”や、自治体の任意給付(コロナ特例等)など例外的な取り扱いがあるため、国民健康保険では給付がありません。そのため、病気やケガで働けなくなったときの収入減少に備える必要があります。民間保険でカバーすべき範囲が会社員と個人事業主などでは異なるのです。

また、定年退職により収入が減少したときも保険の見直しのタイミングです。家計の支出に占める保険料の割合が高くなって、やりくりが大変になるかもしれません。

働き方が変化したときは、加入する社会保険からの給付を確認し、民間保険でどう補うかを考えましょう。

子どもの独立時

子どもが自立するまでは、親の万一に備えて教育費や養育費のための死亡保障が必要です。しかし、子どもが成長し自分で生活できるようになったら、親の死亡保障の必要性は低下します。子どもが社会人になるタイミングで、死亡保障の保険金額を減らせば毎月の保険料の負担も抑えることができます。

一方で、病気やケガのリスクは高まる年代に入るので、医療保障や介護に関する保障を検討してもいいでしょう。また、老後の生活設計について考える時期でもあります。夫婦二人で生活するために必要な保障額を考えてみましょう。

保険更新時

例えば10年などの期間を定めて加入する保険の場合、満期がきたら更新することになります。保険更新時は、保険を見直すよい機会です。

更新時点の年齢をもとに保険料が再計算されるので、同じ保障内容だと更新前よりも保険料が高くなる傾向があります。

更新時点で、加入時とはライフステージや生活環境が変わっているなら保障内容や保障額を見直してはいかがでしょうか。例えば、不要になった特約を解約すれば保険料を軽減できます。逆に、保障内容を充実させたいなら、特約を追加したり、新しい保険に乗り換えたりするのも選択肢です。

保険更新時には、その時点の状況に合う保障を改めて検討しましょう。

保険の見直し方

保険を見直す際は、現在加入中の保険の内容と家計や家族の状況を確認した上で、これから必要な保障を考えます。ここからは、保険の見直し方を解説します。

・契約中の保険内容を確認する

見直しの前に、現在加入している保険の内容を把握しましょう。どんなときに、いくらもらえるのか。保障される期間はいつまでか。加入時に受け取った保険証券や年1回届く契約内容の案内などで確認できます。

複数の保険に加入しているなら、全部の契約内容を表にまとめると、過不足を把握しやすく見直しがスムーズにいくでしょう。保険証券などを見ても契約内容がよくわからないときは、保険会社のカスタマーサービスや保険代理店に問い合わせましょう。

現在のライフステージを把握する

次に、現在の生活について整理します。年齢や家族構成、働き方と加入している社会保険、収入と生活費、貯蓄額など。ノートなどに記載して把握しましょう。シングルか既婚か、子どもはいるか、いるなら子どもの年齢、親を扶養しているかなど。自分がどのような立場か、生計を一にする家族の状況によっても、必要な保障は違ってきます。また、収入に対する保険料の負担はどうか。万一の時に使える預貯金や資産がどれくらいあるかも把握すると、必要な保障額を考える際の材料になります。

必要な保障額を調整する

現在の生活を把握したら、実際に必要な保障はどれくらいか、契約中の保険の内容は合っているか確認します。必要な保障額は、家族の生活費や今後かかる子どもの教育費、住宅ローンの残債を、社会保険からの給付や預貯金などの資産で、どれくらいカバーできるかによって違ってきます。

子どもが生まれたばかりなら、子どもが独立するまでは相当額の生活費や教育費がかかるので死亡保障を手厚くします。子どもの独立が近い、あるいは独立後なら必要な死亡保障額は少なくて済みます。

また、住宅ローンを完済すれば、住宅ローン返済に備えた保障は不要になります。このように、万一の時に不足する金額をもとに保障額を検討します。

保障額が不足しているなら特約を追加する、新しい保険に加入するなどして対応します。逆に、保障が多すぎるなら、保障額を減らしたり、不要な特約を解約したりして、保障を適切にし、保険料の負担も減らします。 

保険の見直しをする時の注意点

さて、ライフステージの変化に合わせた保険の見直しは、保障を最適化するために重要だということがお分かりいただけたかと思います。ただし、見直しには注意すべきポイントがあります。では、保険の見直しをする時の注意点を解説しましょう。

解約のタイミングにより無保険期間が生じる

保険を見直すとき、よくあるミスは、現在の保険を解約してから新しい保険に申し込むことです。保険は申し込みから引き受けまで、審査などのために一定の日数がかかります。新しい保険の契約が有効になる前に、元の保険契約が終了すると、保障のない無保険期間が生じてしまいます。この間に何かが起きてしまうと、保険金を受け取れません。

健康状態や加入の際の告知内容によっては、新しい保険に加入できないこともあります。元の保険をすでに解約していると元に戻すことができず、無保険になってしまいます。

保険の見直しをする際は、新しい保険の契約が成立し保障が始まってから、これまでの保険を解約するようにしましょう。

健康状態によって新しい保険の加入審査に通らない可能性がある

若い頃に加入した保険を見直す場合は注意が必要です。加入から時間が経ち、その間に病気になったり、健康診断で異常を指摘されたりしていませんか。

新しい保険に申し込むときは、申込み時点での健康状態の告知が必要になります。告知の内容によっては審査に通らない可能性があります。特に過去数年以内に入院や治療歴がある、持病があるなどの場合は、審査が厳しくなる傾向があります。加入できたとしても、保障内容が制限されたり、保険料が割高になったりすることも考えられます。

見直しをする際は、現在の健康状態をもとに、新しい保険への加入が可能かどうかを事前に確認しましょう。

保険料が安くならないケースもある

保険を見直すことで保険料が安くなることを期待する人もいるでしょう。しかし、安くなるケースばかりではありません。例えば、若い頃に加入した保険を時間が経ってから見直す場合、新しい保険の保険料は見直し時の年齢で計算されます。例えば、35歳で加入した保険を55歳で見直せば、新しい保険は55歳の年齢で保険料が計算されます。保険料は年齢が上がるほど高くなる傾向がありますから、同じ保障内容なら保険料が高くなる場合があります。

保険を見直す目的が明確ではなく、単に安い保険を選んでしまうと、必要な保障まで減って後悔することになりかねません。保険を見直す際は、保険料を減らすことだけでなく、保障内容と保険料のバランスを考えましょう。

まとめ

保険の見直しは、ライフステージの変化に合わせて、その時々に最適な保障を確保するために重要です。結婚や出産、住宅購入、転職、子どもの独立など人生のステージにより必要な保障は変化します。保険の見直しは、一度だけではなく、定期的に行うことで適切な保障を無理のない保険料で確保することにつながります。

 この記事の情報は2026年2月時点

プロフィール
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ファイナンシャルプランナー(CFP®)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士
坂本 綾子(さかもと あやこ)

雑誌記者を経て2010年ファイナンシャルプランナーとして独立。執筆やセミナー講師を行う。消費者からの家計相談にも対応。著書に「改訂新版 節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本」(朝日新聞出版)、「きみたちはどう稼ぐか?1杯のコーヒーをお金に換える方法」(中央公論新社)などがある。

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