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親に認知症保険は必要?メリット・デメリットや加入時の注意点を解説

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公開日:2026年6月22日

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親が認知症になったら、どうすればいいのでしょうか。家族で面倒を見るのが難しい場合、介護サービスを利用したり施設に入所したりすることになるでしょう。そうすると、介護サービス費や施設の利用料など継続的な費用の支払いが生じます。認知症になったときの費用発生のリスクに備える方法のひとつが認知症保険に加入することです。
認知症保険を活用するなら、保障内容やメリット・デメリットをしっかりと理解したうえで加入することが重要です。認知症保険によっては、加入後の一定期間は免責となり、その期間に認知症になっても保障の対象外になるなど注意が必要なことがあります。
本記事では、認知症保険の概要、メリット・デメリット、加入する際に注意したいことを解説します。

※本記事では認知症保険についてご紹介しておりますが、情報提供を目的としているため、当社の商品は記載しておりません。あらかじめご了承ください。

※本記事についてのご注意

認知症保険とは?

認知症保険は、加入者が保険会社の定める所定の認知症状態に該当した場合などに、保険金や給付金を受け取れる保険です。保険金や給付金を受け取るには、「医師が所定の認知症と診断した」など保険会社ごとに定める要件を満たしていることが必要です。

保険金や給付金の受け取り方法は、保険会社により一時金や年金形式などがあります。受け取ったお金は、認知症に関する通院費や介護サービス費はもちろんのこと、生活費にあてるなど自由に使うことができます。

認知症保険と介護保険の違い

民間の生命保険会社の商品には、認知症保険の他にも介護保険があります。認知症保険と介護保険はどう違うのでしょうか。

認知症保険が、認知症と診断された場合に保険金や給付金が支払われるのに対して、介護保険は一定の要介護状態になった場合に保険金や給付金が支払われます。

要介護になった際には公的な介護保険を利用することができます。ただし、公的介護保険は、原則として介護サービスそのものが提供される現物給付であり、自由に使える現金を受け取る制度ではありません。

ただし、一方、民間の介護保険では保険金や給付金を受け取ることができます。つまり民間の介護保険は公的な介護保険だけでは不安な場合に、上乗せとして活用する保険です。民間の介護保険の給付の要件は、公的介護保険の要介護認定に連動するものと保険会社が独自に基準を定めているものがあります。

これに対して、認知症保険は認知症に特化した保険で、給付の要件は各保険会社がそれぞれに基準を定めています。

親に認知症保険は必要?

親に、認知症保険は必要なのでしょうか。加入を検討するにあたって、認知症になる人の割合はどれくらいか、介護が必要になったとき、費用がどれくらいかかるかを知っておきましょう。

認知症になる人の割合

高齢化の進展に伴い、認知症の高齢者数は今後増加していくと推計されています。65歳以上の高齢者を対象にした2022年度の調査によれば、認知症の人の割合は約12%、認知症の前段階と考えられている軽度認知障害(MCI)の人の割合は約16%と推計されています。つまり、65歳以上の高齢者のうち、4人に1人以上は認知機能に関わる症状があるということです。

また、内閣府の「令和7年版 高齢社会白書」によると、認知症の発症者数は今後も増加していくと予想されています。認知症の有病率の将来推計値は2050年に15.1%2060年には17.7%に達します。認知症への備えがますます重要になるといえます。

介護にかかる費用と期間

では、介護が必要になったら、どれくらいの費用がかかり、その期間はどれくらいになるのでしょうか。生命保険文化センターの「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」の結果をもとに紹介しましょう。

介護費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)のうち、住宅改造や介護用ベッドの購入などのために一時的にかかった費用の合計額は、平均で47万円。また、月々の自己負担額は平均9.0万円となっています。介護期間(介護中の場合は経過期間)は、平均55.0カ月(4年7カ月)です(いずれも2024年)。

この調査結果は、認知症を原因とした介護のみならず、それ以外の理由による介護を含めたデータです。とはいえ、介護が必要になると数年間にわたり、それなりの経済的な負担が生じることがわかります。

認知症保険の加入率

どれくらいの世帯が認知症保険・認知症特約に加入しているのか、実態について、「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」の結果を紹介します。民間の保険に加入する世帯(かんぽ生命を除く)の認知症保険・認知症特約の世帯加入率は7.6%となっています。世帯員別にみると、世帯主が 6.0%、配偶者が 4.0%。

世帯加入率を世帯主年齢別にみると、「6064 歳」と「6569 歳」で1割を超えています。

医療保険などに比べれば加入率は高いとはいえませんが、高齢化が進む状況の中で、関心を持つ人は増えていくのではないでしょうか。

親が認知症保険に加入するメリット

親が認知症保険に加入するとどんなメリットがあるのでしょう。主なものを紹介します。

経済的な不安や負担を軽減できる

親が認知症保険に加入していれば、認知症と診断されるなど保険会社が定める一定の要件に該当すると保険金や給付金を受け取れます。これを通院費、自宅のリフォーム費、介護用品の購入費などに使うことができます。

また、直接介護にかかる費用のみならず、介護のために家族が時短勤務をするなど働き方を変えて収入が減ったときは、それを補うための生活費に充てることもできます。

認知症予防や早期発見を支援する付帯サービスを利用できる場合がある

認知症保険によっては、予防のための付帯サービスを受けられるものがあります。認知症に関する情報提供、健康相談、MCIスクリーニング検査の案内など。活用することで、生活習慣の見直しや認知症の早期発見につながるかもしれません。

親が認知症保険に加入するデメリット

次に、親が認知症保険に加入する場合に考えられる主なデメリットを紹介しましょう。

保険料が高くなる場合がある

認知症保険の加入を検討するのは、ある程度の年齢になってからというケースが多いのではないでしょうか。認知症保険の保険料は、加入時の年齢と保障内容によって決まります。保険は加入時の年齢が高いほど保険料が高くなる傾向があります。親が高齢になってから加入すると、若いうちに加入するよりも保険料の負担が重くなる可能性が高くなります。

掛け捨て型であることが多い

認知症保険は複数の生命保険会社が取り扱っていますが、その多くは掛け捨て型です。そのため、解約返戻金や満期保険金は受け取れないと考えた方がよいでしょう。貯蓄性は期待できないということです。認知症の状態が、保険会社が定める所定の要件に当てはまらないと、加入して保険料を支払っても保険金や給付金を受け取れません。

親が認知症保険に加入するときの注意点

では、親が認知症保険に加入する際の、主な注意点を紹介します。

保険金の支払い条件や免責期間など保険内容を十分に確認する

生命保険会社ごとに、認知症保険の保障内容や給付条件は異なります。どのようなときに、どんな保障があるのか、加入を検討している商品について事前にしっかり確認することが必須です。

医師による認知症の診断に加えて公的介護保険の要介護認定を条件とする商品もあります。また、加入後一定期間は「免責期間」(不担保期間や待機期間とする保険会社も)を設けている商品もあります。この期間に認知症になっても保障は受けられません。アルコール性認知症など認知症になった原因によっては給付の対象外とする商品もあります。

保険金や給付金を受け取れる条件を確認せずに加入すると、状況によっては給付を受けられないかもしれません。注意してください。

指定代理請求人を決める

認知症保険は親が被保険者となって加入し、保険金や給付金の請求は親自身が行います。

しかし認知症の状態によっては親が手続きできない可能性もあります。そのような場合に利用したいのが指定代理請求制度です。指定代理請求制度は、被保険者が自ら意思表示できないなど特別な事情がある場合に、あらかじめ指定された代理人が保険金や給付金の請求手続きをできる仕組みです。

認知症保険に加入する際には、指定代理請求人を決めて指定しておくことをお勧めします。

指定代理請求人に指定できる人の範囲や、利用条件、指定方法は保険会社や商品ごとに異なるので加入時に確認しましょう。

まとめ

認知症保険は、親が認知症になった場合にかかる費用に備える方法のひとつです。
認知症保険に加入し、保険金や給付金を受け取ることができれば、介護費用などに充てられます。経済的な負担の軽減につながるでしょう。

ただし、認知症保険は掛け捨て型が一般的であり、また高齢になってから加入すると保険料が高くなる傾向があります。
認知症保険への加入を検討するときには、事前に給付条件や対象となる認知症の範囲などをしっかりと確認することが大切です。

 

  • この記事の情報は2026年5月時点
プロフィール
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ファイナンシャルプランナー(CFP®)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士
坂本 綾子(さかもと あやこ)

雑誌記者を経て2010年にファイナンシャルプランナーとして独立。執筆やセミナー講師を行う。消費者からの家計相談にも対応。著書に「改訂新版 節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本」(朝日新聞出版)、「きみたちはどう稼ぐか?1杯のコーヒーをお金に換える方法」(中央公論新社)などがある。

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