お口のメンテナンス~セルフケア編
【歯科医監修】
50代~編:年代別!
歯みがきのポイントとオススメ商品
この記事は2020年05月18日にClub Sunstarに掲載されたものです。

自分の年齢に合わせたホームケアが重要!

毎日使うハブラシやペースト、なんとなく選んでいませんか?自分の歯や歯ぐきの状態にあったグッズを使ってケアすることは、むし歯や歯周病の予防効果を高めます。
そこで、年代別の口内環境の特徴や、ホームケアにオススメのグッズ、そして正しいケアの方法を、”10~20代”、”30~40代”、”50代~”の3世代に分けて、歯科医の三宅先生に教えてもらいました。
教えてくださった先生
三宅直子先生
一般財団法人サンスター財団所属。大阪大学歯学部卒、大阪大学歯学部附属病院保存科出身。専門分野はう蝕治療、歯内療法。お口の健康維持に重点をおき、できる限り歯を削らない治療、 歯を保存する治療を心がけている。

歯ぐきが下がって根元が露出してきたら、根元むし歯に気をつけよう!

Q. 50代のお口の中、口内環境の特徴を教えてください。
A. 50代を迎えると、歯周病や長年にわたる不適切なブラッシングなどにより、歯ぐきが下がって根元が露出してきたという方も増えてきます。歯の根元が露出すると「根元むし歯(根面う蝕)」のリスクが高まります。歯の根元の部分はやわらかく「根元むし歯」になりやすい上に進行もはやいので適切なブラッシングが必要です。フッ素配合のハミガキやフッ素洗口もおすすめです。

口腔乾燥がお口のトラブルのリスクを高める

Q. 50代のお口の中、口内環境の特徴を教えてください。
A. 年齢を重ねると、加齢や全身の病気、薬の影響などで唾液が減ってお口が渇きやすくなります。唾液は口腔内を清潔に保つはたらきがあるため、唾液が減るとむし歯や歯周病リスクが高まります。唾液腺マッサージを試してみるのもおすすめです。

根元むし歯対策にはソフトなハブラシを使用

Q. 加齢によって、気をつけるポイントが増えるのですね。自宅でのお手入れでは、どのようなことに気をつければ良いでしょうか。
A. 根元むし歯の対策としてブラッシングが必要ですが、根元へのブラッシングは歯ぐきを下げるリスクも伴います。そこで、根元はやわらかいハブラシを使ってやさしくみがきましょう。
タフトブラシを使う場合は、毛先がフラットなタイプのものを選びます。フラットタイプは、先が尖っているタイプと比べて、歯ぐきへのあたりがソフトなのでおすすめです。
タフトブラシには、先端が尖っているタイプ(上)とフラットタイプ(下)があるので、用途にあわせて使い分ける。

歯の欠損部分は専用グッズでケア

Q. 50代以降の方のお口は、歯が抜けてしまうケースも出てきます。そうした場合のケアはどのようにすれば良いでしょうか。
A. 年齢を重ねると、歯の欠損により、ブリッジやインプラントなどの治療経験のある人も多くなります。ブリッジで空いたすき間に通しやすいイージースレッドフロスなど、専用のグッズを使うとみがき残しを防げます。イージースレッドフロスは固いスレッド部とやわらかいスポンジ部があり、ブリッジなどの連結歯の間やポンティック底面の汚れを清掃するのに適したフロスです。また、スポンジ部は水分を含むと膨らみ、歯間部にフィットして、より、効果的にプラーク除去します。
入れ歯のケアは、毎日のブラッシングが基本。しっかりブラッシングをしていれば、洗浄液での洗浄は週に1回ほどでも大丈夫です。
イージースレッドフロス。フロスの緑色の部分が固くなっており、すき間に通しやすい。
左上から時計まわりに、義歯用ケース(洗浄バスケット付き)、洗浄剤、入れ歯用ブラシ

オーラルフレイルに注意してお口の健康を保ちましょう

Q. 最後に、オーラルケアの観点から、50代以降の世代が生活習慣で気をつけるポイントを教えてください。
A. 以前に比べると、シニア世代にもオーラルケアに対する意識が広がり、8020推進運動のおかげで、80代で自分の歯が20本以上残っている方も増えています。
一方で、食べこぼしや食事中の「むせ」といったささいなお口の衰えをきっかけにお口の機能が低下し、食べる機能の障害へと進んでいく「オーラルフレイル」のリスクが高まることに注意が必要です。
年齢を重ねることで全身の疾患リスクが高まることから、歯科医院での診察では持病や服薬の確認などを行うこともあります。お口の健康と全身の健康、両方を意識してケアしていきましょう。
取材・記事 クラブサンスター編集部
撮影 茨木裕子
監修元:サンスター
出典元:https://www.club-sunstar.jp/article/column/oral/2469/
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