歯周病について
お口のあれこれQ&A −歯周病編−
お口のあれこれQ&A −歯周病編−
この記事は2019年06月28日にClub Sunstarに掲載されたものです。
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歯周病になるとどんな症状が?
Answer歯周病は歯肉炎と歯周炎の総称です。歯肉炎は歯ぐきだけの炎症で、歯ぐきが赤く充血して腫れ、時には血が出たり、ただれたりします。さらに進行した歯周炎では、歯ぐきだけでなく歯を支える組織(歯根膜や歯槽骨)まで侵される病気です。歯周病には、次のような症状があります。・歯ぐきが赤く腫れる
・歯ぐきから出血しやすくなる
・歯ぐきが赤黒くなってくる
・歯ぐきに膿がたまる
・歯と歯ぐきの境目の溝(歯周ポケット)が深くなる
・歯周ポケットから膿が出る(口の中がねばっこくなる)
・プラーク(歯垢)や歯石の沈着が激しくなる
・口臭がひどくなる
・歯がグラグラ動くようになる
・歯ぐきがやせて、歯の根が露出する
・歯を噛みしめられなくなる
・歯が抜ける(歯槽骨が溶けて歯を支えられなくなる) -
どうして歯周病になるの?
Answer歯周病は、歯周病菌により引き起こされる炎症反応です。歯周病菌は歯と歯ぐきの境目にたまるプラーク(歯垢)の中に存在するので、お口の中が不衛生になると歯周病菌が増え、歯周病を発症しやすくなります。また、歯周病菌から身体を守ろうとする生体防御機能も重要になります。お口の中の歯周病菌が少なくても、身体の生体防御機能が低下していれば、歯周病を発症しやすくなってしまいます。
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歯周病の予防のポイントは?
Answer歯周病を予防する際に、最も大切なことはお口の中の清掃です。ハブラシによるブラッシングだけでなく、歯間清掃具を使ったプラーク(歯垢)の除去が効果的です。
歯みがきの際は、殺菌効果のあるCPC、抗炎症効果のある生薬当帰エキスやβ-グリチルレチン酸、血行促進効果のあるビタミンE、歯ぐきを引き締める効果のある塩が入った歯磨剤を用いると効果的です。また、セルフケアに加え、定期的に歯科医院で専門的なクリーニングを受けることも大切です。
加えて、心身の疲れを癒すことも大切。歯ぐきが赤く腫れて浮いたように感じるときは、生体防御力が低下している証拠です。よく休養をとり、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。特にビタミンCは人体の組織細胞を強くする働きがあります。 -
歯周病になると、お口以外への影響はある?
Answer歯周病が影響を与える疾患には、糖尿病、早産による低体重児出産、脳卒中、心疾患・心筋梗塞、細菌性心内膜炎、肺炎などが報告されています。歯周病原細菌や歯周炎で発生した炎症物質が全身へ運ばれることで、さまざまな疾患のリスクを高め、病態を悪化させると考えられています。
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歯周病と糖尿病にはどんな関係がある?
Answer歯周病と双方向に悪影響を及ぼすことが知られているのが糖尿病です。糖尿病により歯周病のリスクが高くなることが知られています。また、歯周炎により発生した炎症物質が血液中に運ばれることで、血糖値を下げるインスリンの働きが抑制され、糖尿病が発症・進行しやすくなると考えられており、実際に、歯周治療によって血糖コントロールが改善されるという報告がされています。歯周病はセルフケアによって予防ができるため、日頃からしっかりした口腔ケアを心がけましょう。
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歯並びが悪いと歯周病になりやすいの?
Answer歯並びが悪いところは、みがき残しが多く、プラーク(歯垢)がたまりやすいため、歯周病になりやすいです。歯並びにあわせた商品(タフトブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスなど)を用いて、口腔ケアを行いましょう。
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歯周病は何歳頃から現れるの?
Answer歯肉炎は10代後半をピークに若年層にも多く見られます。これに対し歯周炎は、思春期の初期から現れはじめて20代で急増し、30歳を過ぎると約8割の人が歯周病にかかっているといわれています。歯を失う原因を調べると、むし歯が29%なのに対して、歯周病はそれを上回る37%で最も多い原因となっています。歯周病は初期には痛みをあまり感じることがなく症状がどんどん進むため、気を付けなければなりません。
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歯みがきの時、歯ぐきから血がでます
Answer歯みがき時の出血は、歯ぐきが炎症を起こしているサインです。炎症を起こした歯ぐきは赤く充血しているため、ブラッシングの軽い刺激だけでも簡単に血が出てきます。
歯ぐきの炎症は、歯肉炎から歯周炎まで、歯周病の進行の程度によってさまざまです。歯周病は多くの場合、はっきりとした自覚症状を感じることなくゆっくりと進行するため、発見が遅れがちな病気です。歯みがき時の出血は、比較的軽度の段階で発見できる一番身近なサインです。出血があるところほど丁寧なブラッシングを心掛け、なるべく早めに歯科医院を受診しましょう。 -
以前より歯と歯の隙間がひろくなった気がします
Answer歯ぐきがやせるという話しをよく耳にしますが、歯周病が原因となり歯ぐきを支えている歯槽骨がやせてきているということで、これはゆっくりと進行した慢性の歯周病の結果であることが多いのです。歯と歯の隙間が広くなったと感じたら、歯周病の存在を疑って歯科医院で相談してください。広くなった歯と歯の隙間の汚れは、ハブラシだけではきれいにするのは難しいため、歯間ブラシを使う習慣を身につけましょう。
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歯間ブラシを使うように指導されましたが、歯ぐきが下がりそうな気がします。大丈夫でしょうか?
Answer炎症のある歯ぐきに歯間ブラシを使うことで、炎症の改善とともに歯ぐきの腫れがおさまり、歯ぐきが下がったと感じる場合があります。しかし、歯と歯の隙間の大きさにあったサイズのものを使えば、必要以上に下がることはありません。歯間ブラシは太さによってSSS~Lサイズまで種類があります。無理に太いサイズの物を使用すると、歯ぐきを傷めてしまったり、歯をすり減らしてしまう恐れがあります。少しゆとりをもって通過するサイズが適当です。ご自身のサイズがわからないときは、歯科医院で選んでもらいましょう。
監修元:サンスター
出典元:https://www.club-sunstar.jp/article/column/oral/2189/
出典元:https://www.club-sunstar.jp/article/column/oral/2189/
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