【適応症】 関節リウマチ(既存の合成抗リウマチ薬による治療でDAS28が二・六未満を達成できないものに限る。) 【概要】 ヒドロキシクロロキンはもともと抗マラリア薬として開発されたが、1950年代から膠原病や関節リウマチに対して、本邦を除く諸外国では標準的治療薬として汎用される極めて有効性・安全性の高い薬剤である。メトトレキサート、サラゾスルファピリジンとの併用療法は生物学的製剤に匹敵する高い治療効果が大規模臨床試験で報告されていること、高額な生物学的製剤と比して約10分の1程度の安価であることから、患者面からも医療経済面からも必要性は高い。特に日本の現状では、既存の抗リウマチ薬で効果がない場合生物学的製剤が適応となるが、経済的な理由で治療を断念する患者も多く、ヒドロキシクロロキンの追加、併用は生物学的製剤導入前の有用な治療となりうる。本試験は、慶應大学病院リウマチ内科外来通院中または入院中で、生物学的製剤治療の適応となりうる既存DMARD治療で寛解非達成患者を対象とし、ヒドロキシクロロキンの内服を追加併用し、24週時有効性、安全性を当院におけるヒストリカルコントロールと比較検討する。投与量は、日本人の体格とSLEにおける承認用量を勘案して、欧米での添付文書上の用量400-600mg/日よりも減量し、200-400mg/日と設定することで網膜症をはじめとする副作用回避に配慮する。
|