【適応症】 閉塞性動脈硬化症(薬物療法に抵抗性を有するものであり、かつ、血行再建術及び血管内治療が困難なものであって、フォンタン分類IIB度以上のものに限る。) 【概要】 現在までの研究成果により、デキストラン硫酸カラム吸着法によるLDLアフェレシス療法が、慢性腎不全に合併した従来治療抵抗性の高コレステロール血症を伴わない閉塞性動脈硬化症に対し、酸化ストレスの抑制、血管内皮特異的NO合成酵素の活性化を伴う血管内皮細胞の機能改善を介し持続的に臨床症状を改善させることが明らかになっている。そこで、本療法では、20歳以上80歳未満の閉塞性動脈硬化症患者のうち、Fontaine分類IIB度以上の症状を有し、血中総コレステロール値220 mg/dL以下、かつLDLコレステロール値 140 mg/dL以下の正コレステロール血症の者であって、膝窩動脈以下の閉塞又は広範な閉塞部位を有する等、血管内治療や血管外科的治療による血行再建が困難で、かつ従来の薬物療法では十分な効果を得られない従来治療抵抗性の閉塞性動脈硬化症患者に限定して、デキストラン硫酸カラム吸着法によるLDLアフェレシス療法を行う。本療法の治療手技は、本療法一回における血漿処理量は3~4リットルとし、血液流量50~100ml/minのうち約30%を血漿流量とするため、一回の治療時間は約2-3時間である。副作用も重篤なものはなく低血圧などであり低侵襲である。原則週1日もしくは2日の頻度で本療法を施行し、1回目開始から3ヶ月以内に1クール10回のスケジュールで施行するものとする。この1クール10回のLDLアフェレシス療法の施行が完了した時点で、プロトコル治療の完了とする。原則初回施行時のみ、入院治療とする。有効性については、(1) 足関節上腕血圧比(ABI)の変化、(2 )VascuQOL (閉塞性動脈硬化症の疾患特異的なQOL評価)の変化、にて検討する。(1)、(2)ともに、(LDLアフェレシス療法10回目終了後1週以内の測定値) - (LDLアフェレシス療法1回目施行前2ヶ月以内の測定値)。なお、プロトコル治療期間(10回1クール)終了3ヶ月後の測定値の変化は副次的評価項目として評価する。
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