【適応症】 前房蓄膿、前房フィブリン、硝子体混濁又は網膜病変を有する眼内炎 【概要】 内眼手術直後からの眼痛、前房蓄膿、硝子体混濁を呈する外因性眼内炎、体内に感染巣があり眼痛、前房蓄膿、硝子体混濁を呈する内因性眼内炎では早急に細菌感染を疑い検査する必要がある。このような症例の前房水を前房穿刺、あるいは硝子体液を手術時に採取して、これらの眼内液からDNAを抽出し、本診断により細菌16SrDNAの定量をおこなう。この診断に基づいて適正な抗生剤投与、硝子体手術をおこなう。当院眼科においては年間約30例の患者が本検査の対象となる。 経中心静脈高栄養法や各種カテーテルの留置に伴った真菌血症が全身的にあり、網膜後局部に網膜滲出斑、硝子体混濁、牽引性網膜剥離、前眼部炎症を呈する眼内炎では早急に真菌感染を疑い診断を付ける必要がある。このような症例の前房水を前房穿刺、あるいは硝子体液を手術時に採取して、これらの眼内液からDNAを抽出し、本診断により真菌28SrDNAの定量をおこなう。この診断に基づいて適正な抗生剤投与、硝子体手術をおこなう。当院眼科においては年間約20例の患者が本検査の対象となる。従来の検査で眼科検体を用いた真菌の検査法の中で、現在保険でおこなわれているものは、培養があるが感度と特異度は本検査法よりも劣る。 当該技術(難治性細菌・真菌眼感染疾患に対する包括的迅速PCR診断)は、必要なプライマーとプローブを作製して研究室にて用いている。プライマーとプローブは現時点ではキット化できていないため、院内で調整する。
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