【適応症】甲状腺髄様癌【概要】1) 発端者診断甲状腺髄様癌患者或いは甲状腺髄様癌の疑われる患者に対して、遺伝カウンセリングを施行し患者の同意を得た上で、採血を行い、末梢血より白血球DNAを抽出する。次に、RET遺伝子のエクソン10、11、13、14、15、16をPCR法を用いて増幅し、塩基配列をDNAシーケンサーにより解析する。遺伝子変異が認められた場合は、外科的治療の術式は甲状腺全摘となり、また、副腎と副甲状腺の精査を実施することとなる。2) 保因者診断遺伝性甲状腺髄様癌患者の血縁者であって甲状腺髄様癌が疑われた患者に対しては、上記1)と同様の手順で遺伝子診断を行うが、既知の変異部位のみのシーケンスを行い、変異を認めた場合は、甲状腺全摘が考慮される。一方、RET遺伝子の変異が認められない患者に対しては、非遺伝性と判断されるため、甲状腺切除範囲は癌病変部位に適した範囲となり、甲状腺を一部温存することも可能となる。